News Release

カーライルと新世代バイオ素材開発メーカーのSpiberとの戦略的提携について

報道関係各位                                

2021年9月8日
カーライル・ジャパン・エルエルシー

 

カーライルと新世代バイオ素材開発メーカーのSpiberとの戦略的提携について
 

  • カーライルの日本特化型ファンド「カーライル・ジャパン・パートナーズ」による初のマイノリティー成長投資
  • カーライルはSpiberのアンカー投資家となり、取締役も派遣
  • Spiberは今回の投資ラウンドで既存および新規の投資家からも資金調達を実施し、株式評価額は約1,350億円に
  • Spiberの突出したタンパク質素材技術やサステナビリティへの貢献ポテンシャルにより、同社はアパレルを始めとする業界で増加するサステナブル素材の需要をしっかり捉えるポジションに
  • カーライルの豊富な業界知見やグローバルネットワークを活用し、Spiberの上場前の成長期における商業生産およびグローバル展開を大きく加速

 

世界有数の投資会社であるカーライル(本社:米国ワシントンD.C.、日本代表:山田和広、以下「カーライル」)は本日、新世代バイオ素材開発メーカーであるSpiber株式会社(スパイバー、所在地:山形県鶴岡市、取締役兼代表執⾏役:関⼭和秀、以下「Spiber」)との戦略的提携(以下「本提携」)を発表しました。本提携は、カーライルの日本特化型ファンド、「カーライル・ジャパン・パートナーズ(CJP)」による、初のマイノリティー成長投資案件となります。カーライルは、Spiberアンカー投資家となり、取締役を1名派遣する予定です。本提携含めた今回のSpiberへの投資ラウンドは、今後数年以内に上場を目指している同社にとって、成長を一層加速させていく契機となる大きな一歩となります。

Spiberは、2007年に関山和秀氏と菅原潤一氏によって創業された新世代バイオ素材開発メーカーです。繊維やアパレルをはじめ、幅広い業界におけるサステナビリティの課題解決に貢献する魅力的なソリューションを有しています。Spiberが独自開発した「ブリュード・プロテインBrewed Protein)」は、バイオ素材であり、生分解可能で、非動物由来の人工的なタンパク質素材です。ブリュード・プロテインは、カシミア、ウール、毛皮、皮革、シルクなどの動物由来・石油由来の素材の代替として使用できるだけでなく、カシミアの生産と比べ省資源・温室化効果ガス削減など環境面でも多くのメリットがあります(同社によるライフサイクルアセスメントより

アパレル業界をはじめ、様々な業界の顧客がよりサステナブルなソリューションを求めるようになるにつれ、サステナブル素材の市場規模はグローバルに急成長することが見込まれています。カーライルは、これまでグローバルでモンクレール(Moncler)やゴールデングース(Golden Goose)など世界有数のブランドに投資を行ってまいりました。本提携を通し、Spiberはカーライルのグローバルな業界知見、サステナビリティ分野における知見、さらにはラグジュアリーブランド各社や繊維・素材業界との強力なネットワークを最大限活用することになります。本投資ラウンドの資金とカーライルとの協働により、Spiberは、経営基盤・オペレーション人材の強化や生産能力を大幅に増強し、グローバルかつ加速度的に商業化を追求していきます。

カーライル日本代表の山田和広は、「カーライルのSpiberへの投資は、日本特化型ファンドである『カーライル・ジャパン・パートナーズ』にとって初となる非バイアウトの成長投資です。カーライルは、4号ファンドであるCJP IVの約1割を、Spiberを含む成長投資案件に振り向ける予定です。日本では、これまで28件の投資を実行し、18件のエグジットのうち、8件は株式市場への上場を果たしています。今後、Spiberが上場に向けさらなる成長フェーズに入るにあたり、同社と緊密に連携し、世界有数のバイオテクノロジー企業に成長するサポートをできることを楽しみにしています」とコメントしています。

カーライルのマネージング・ディレクター、渡辺雄介は、「共同創業者である関山氏と菅原氏の力強いリーダーシップの元、Spiberは日本発の有力スタートアップから、サステナブル素材の分野における世界的なリーダーに成長しました。カーライルは投資先企業のサステナビリティにおける取り組みや成果を最適化することを目指しており、ESGへの取り組みは投資および価値創造支援プロセス全般に組み込まれていますジーノロジア(Jeanologia)やビューティーカウンター(Beautycounter)などが代表的な事例です。Spiberのミッションや哲学は、長期的かつ永続的な価値およびインパクトを生み出すソリューションを提供する、というカーライルの考え方と合致しています。Spiberにカーライルを選んでいただいたことを光栄に思います」とコメントしています。

Spiberは、今回の投資ラウンドで、カーライルの他に、フィデリティ(Fidelity International)、ベイリー・ギフォード(Baillie Gifford)や株式会社海外需要開拓支援機構(クールジャパン機構)など、既存・新規の投資家からの投資および追加の事業価値証券化MVS: Value Securitization)含め、総額344億円を調達し、これにより事業のさらなる成長加速が見込まれます。今回の資金調達を経て、Spiberの株式評価額は約1,350億円に達しています。

過去10年間で、Spiberは数々の技術的ブレイクスルーを実現してきました。その事業展開においても、商業生産の開始、2021年からのタイ工場での量産、また早ければ2023年に開始する米国での量産など、本格的な商業化に向けて着実に取り組みを進めています。Spiberは、高い実用性を持つ技術、強力な研究開発および大量生産能力を活かし、サステナビリティへの社会的要求がますます高まる中、業界の最前線を切り拓いてきました。Spiberが次の成長ステージに進み、数年後の上場、またその後の持続的な成長を目指して、スピード感と実行力を持って商業化およびグローバル展開を推進するため、カーライルの業界知見やグローバルネットワークを最大限活用して支援してまいります。

 

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Spiberについて
構造タンパク質素材「Brewed Protein™(ブリュード・プロテイン)」を開発する、⼭形県鶴岡市に拠点を置くバイオベンチャー。Brewed Protein™ポリマーは、植物由来の糖類を主原料に使⽤し、微⽣物による発酵(ブリューイング)プロセスにより製造され、⽤途に応じて多様な特⻑を付与することが可能です。そのため、アパレル分野や輸送機器分野など、様々な産業における脱⽯油・脱アニマルのニーズに対し⼤きな役割を果たせる可能性を秘めており、持続可能な社会の発展に資する次世代の基幹素材と⽬されています。
Spiberウェブサイト: https://www.spiber.inc/

 

カーライルについて
カーライル(CG:NASDAQ)は、深い業界知識を有し、グローバルに展開する投資会社で、「グローバル・プライベート・エクイティ」「グローバル・クレジット」「インベストメント・ソリューションズ」の3つの分野で投資活動を展開しています。カーライルの目的は、関連する投資家、投資先企業、社会の為に投資を行い、価値を創造することであり、2021 年6月末時点の運用資産は総額で2,760億ドルに上ります。現在、世界5大陸の27拠点に1,800名以上の社員を擁しています。カーライルは、日本に特化した円建てのバイアウト・ファンド、「カーライル・ジャパン・パートナーズ」を運用しており、これまでに国内で28件の投資を実行しています。また、日本企業の海外展開、事業効率の改善、経営インフラの強化などを支援してきた実績を有します。
詳しくは、www.carlyle.com をご覧ください。

 

【本件に関するお問い合わせ先】
カーライル広報代理:
Kekst CNC 大谷 みな子、斎藤 愛、田辺 圭弥
電話番号:03-5156-0190 / 03-5156-0189 / 03-5156-0102
Emailcarlyle@kekstcnc.com

Spiber株式会社 PRセクション:
contact@spiber.jp